B型だもの。

分散化していく世界の片隅で。

エストニアがすごい。そんな話を、あちこちで聞く。ロシアに隣接したバルト三国の一国。


エストニア国民でなくとも、インターネットで仮想住民になれるらしい。

仮想住民(イーレジデンス)制度を通じて、世界中のフリーランサーたちが、旅しながら働く「デジタルノマド」になれるらしい。

ITベンチャー企業が続々とが生まれているらしい。

フィンラインドを抜いて、世界一の教育大国になったらしい。


この本は、ソフトバンク孫正義の実弟であり、ベンチャー投資家として名高い孫泰蔵監修のもと、ジャーナリストの著者が2018年に現地で取材した内容をまとめたものだ。


以下の章立てでまとめられ、とても読みやすくて、わかりやすい。


第1章 : 「政府をデジタル化する 」(電子政府について)

第2章 : 「国民をデジタル化する 」 (イーレジデンシーや働き方について)

第3章 : 「産業をデジタル化する 」 (産業やスタ ートアップについて)

第4章 : 「教育をデジタル化する 」 (教育全般とキャリアについて)


なぜエストニアが成功したのか? その理由として、著者は、人口の少なさ(130万人)や税制のシンプルさ、ロシアに占領されていた歴史からくる危機感などを挙げている。


さらに、本を読み進めていくと、その成功のに、大きな2つの理由があることがわかる。


ひとつめは、序章で孫泰蔵が語るように、以下の明確なビジョンだろう。

その社会とはどのようなものか 。一言でいえば 、 「ヒュ ーマン ・オ ートノミー(Human Autonomy)」という言葉で言い表せるでしょう 。オ ートノミーには 「 (行動や意思の)自由 」といった広い意味合いがあります。そのため、この言葉には 「人は好きなときに、好きなところで生活し 、働き、学び、友に出会い、子を育て、人生を楽しむことができる 」という意味が込められています 。エストニアは、人々が自由に生きられるという社会をつくり上げようとしているのです。

もうひとつは、書籍の中でも繰り返し出てくる「分散化」というキーワード。


インターネットの浸透は、脱中央集権化をもたらす。かつては、権力や情報は限られたところに集中せざるを得なかった。けれども、大手メディアが独占していたニュース配信はWebやSNSにとってかわられ、中央銀行でなければ発行できなかった貨幣は、ビットコインの出現によって、誰でも「採掘」できるものになろうとしている。


中央政府の仕事は、お山のてっぺんで一から十まで指図することではなく、分散化していく力をどう活かすか、流れを整理することへと変わりつつある。


その「分散化」が、エストニアの政策の思想的支柱として貫かれている。


かつて資本主義が台頭した時代に、それまでの政治や金融システムが駆逐されたように、「分散化」が中央集権を駆逐しつつある。


エストニアという国の事例というよりも、世界を変える新たなルールを知るための必読書。





 





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