B型だもの。

分散化していく世界の片隅で。

東芝のコーポレート・ガバナンス改革ポジションの募集がネットで話題になっている。
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DODAの元リンクはすでに掲載終了となっているが、あちらこちらに魚拓が残っている。年収は550850万円だそうな。

報道によれば、採用担当者は「従来からの採用活動の一端」とコメントしたという。

不思議なのは、214日に細川社長自ら決算発表を行なったタイミングで、この求人を出すことを誰も疑問に感じなかったのだろうかということだ。

もちろんコーポレート・ガバナンス改革は必要だろうし、同時に募集していたグローバル広報・メディア対応・ IR担当も必要であることは明らかだ(募集要項の「危機発生時等はメディアコントロールをご担当いただきます」については、すでに発生しているのではないかと思わずにいられないが)

しかし、このタイミングでこのポジションを募集するなら、通常はヘッドハンティング会社に声をかけ、秘密裡に進めるだろう。年収も1500~2000万円クラスの人材を有期で招聘するのが普通だ。そうでなければ火消しができる人材は獲得できないし、オープンに募集すれば炎上するのは目に見えていたのではないか。

私自身は、東芝内部に知人もおらず、内情を知る立場にないけれど、想像だけで推測するなら、なんらかの正常性バイアスがかかっているのではと思ってしまう。

この組織はなくならない。今やっている仕事は、来年も再来年も同じように続いていく。

東芝の経営が今後、どのようになるか、原発問題がどのように収束していくか、わからない。しかし東芝に限らず、どんな会社にいてさえ、同じリスクは抱えている。巨額の債務を抱えてしまうリスク。雇用がなくなるリスク。炎上するリスク。

「なんかヤバいな」という感じは、往々にして、徐々に押し寄せる。

歴史を振り返って、なんかヤバい空気を感じた時、いち早く損切りして逃げ出す人と、正常性バイアスに捉われて留まる人の命運というのは、いつもどこかのタイミングで分岐しているように思う。

アンネ・フランクの父親であるオットー・フランクは、ドイツ国内でユダヤ人狩りが激化した時も「そう悪いことにはならない」といっていたとされる。第一次世界大戦でドイツ軍将校だった誇りもあったのだろう。

もしも自分の属する組織のガバナンスが機能しなくなったら、多少損切りしてもいいから早めに逃げ出すか、留まって勝ち残る戦略を考えるか。たぶん、そのどちらかだ。

軽挙妄動は問題外だけれど、正常性バイアスだけは早めに捨てた方が得策だと思う。
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