B型だもの。

分散化していく世界の片隅で。

土曜の朝はゴロゴロしながら「アラフォー「SMAP」が乗り越えられなかった、典型的な日本型の"商慣習"とは」という記事を読んだ。

ジャニーズ事務所の「デジタル嫌い」は根強いらしい。そういわれれば確かに、ツイッターもブログも現メンバーは誰もやっていない。Youtubeで公式チャンネルくらいあるのかと思っていたら、それもない。(このへんは別記事「ジャニーズはなぜインターネットをガン無視するのか?」にも詳しい)

それだけテレビを基盤としたビジネスモデルが強固であり、事務所を介したファンコミュニティの形成がうまくいっている(いた?)のだろう。
(引用: The Huffington Post

しかし昨年末の解散を目のあたりにして「もしSMAPがソーシャルメディアを活用していたら、どうなっていたのか?」と、つい考えてしまう。

たとえば中居くんとかが、ツイッターで100万人のフォロワーを持ち、有料オンラインサロンを開催し、ファンと直接交流し、マネタイズできる仕組みを持っていたら、どーなっていたのだろう。その時点で、SMAPでもジャニーズでもなくなっていたのかもしれないけど。

そういうことを考えていると、対比的に思い浮かべてしまうのは、キングコング西野亮廣氏のソーシャルを活用した最近の取組である。

ツイッターのフォロワー数は約11万人。絵本「えんとつ町のプペル」は23万部を突破。製作過程にはクラウドファンディングで1000万円超を集め、販売決定後には1万冊以上を個人で買い取り、自身で立ち上げた予約販売サイトで売り切った。

最近では、この絵本をインターネット上で無料公開し、賛否両論の議論(炎上)を招いているが、これもマーケティング戦略どおりだろう。

テレビの存在感はいまも根強く、その存在を前提としたスターシステムは、今後も当面続くのだろう。

一方、ソーシャルとクラウドが普及するにつれて、「ダイレクトにつながる」「共犯関係(仲間)をつくる」「フリーミアム」ということがプロモーション上、重要な要素になってくる。そのあたりを実にうまく突いている。

西野氏がブログで書いている以下のコメントが興味深い。

お客さんとのダイレクトな繋がりは、所属事務所を出し抜く為ではなく、所属事務所と対等に話し合う為である、と。

クラウドファンディングが生んでくれたものは『対等に話し合える権利』ではないでしょうか。

僕はよく、

「吉本がこの話に乗らないんだったら、僕個人でやりますけど、どうします?」

と会社と交渉することがあるのですが、

「まぁ、個人でやってもいいんだけど、できれば会社が乗ってきてくれた方がスケールが大きくなって助かるんだけどなぁていうか、乗ってくださいよ」

と内心は思ってます(*^^*)

吉本興業という大組織に所属しながら、ソーシャルメディアを活用してファンと直接つながり、自身でマネタイズの方法を模索している西野氏は、会社内フリーエージェントに近いのかもしれない。 

SMAPが生放送で謝罪したのは、ちょうど一年前。まるで公開処刑のような姿に、40歳前後になっても組織に隷属せざるを得ないサラリーマンの悲哀を重ねる声は当時から多かった。

この対比は、メディアやビジネスモデルの変化はもちろん、サラリーマンと組織の関係の変遷を示唆しているようで、同時代のアイドルを思いながら、自分の行末を考えたりする。
このエントリーをはてなブックマークに追加