B型だもの。

分散化していく世界の片隅で。

Google 8年、Facebook 5年、Uber 3年、オキュラスリフト 2年、一般的なフォーチュン500企業 20年ーー

これは時価総額が10億ドルになるまでにかかった期間だという。

これまでは、何年もかけて生産設備や組織を拡大し、そのサイズに比例して売上が上がっていくのが普通だった。今後はわずかな時間で、指数関数的な成長を実現する企業が、従来の直線型成長を続ける企業を凌駕していくのだとする。

入力を2倍にすれば出力も2倍になるといった成果しか達成できない従来の「直線型企業」に対して、テスラやUber、Airbnbが代表的な「飛躍型企業」として挙げられている。 彼らは、情報をベースにした技術が指数関数的な急成長を遂げることを利用して、何倍もの出力を実現できるという。

人工知能の世界的権威でGoogleのエンジニアリングディレクターを務めるレイ・カーツワイル博士とピーター・ディアマンディスが2008年に創設したシンギュラリティ・ユニバーシティでは、飛躍型企業の共通点として、MTP(野心的な変革目標)、そして以下の10の特徴を挙げる。
<外部構造>
S: オンデマンド型の人材調達(Staff on Demand)
C: コミュニティとクラウド(Community & Crowd)
A: アルゴリズム(Algorithms)
L: 外部資産の活用(Leveraged Assets)
E: エンゲージメント(Engagement)

<内部構造>
I: インターフェース(Interface)
D: ダッシュボード(Dashboard)
E: 実験(Experimentation)
A: 自立型組織(Autonomy)
S: ソーシャル技術(Social Technologies)
特に興味深かったのは、以下の箇所。
有史以前から、人類は働いてモノを所有したり 、取引したりしてきた。この行為は群れの単位から始まり、集団から国家へ、帝国へ、そして最近ではグローバル市場へと拡大し、より大きな集団を組織できるようになっている。価値を生み出すには、より多くの土地や設備、機械、人員を持たなければならないというのが、これまでの世界の常識だった。そして希少資源を管理し、予測可能で安定した環境で使うには、「所有」が最善の戦略だったのである。

持つモノが多いほど、すなわち「所有」する価値が多いほど、富と権力が増すことを意味した。しかし、所有する資産を管理するには、大勢の人間が必要になる 。田畑の面積が倍になれば、耕したり守ったりするために倍の人間を雇わなければならない。幸いなことに、土地の管理にはそれほど多くの人員は必要ないため、これは実行可能なアプローチだった。

所有する資産を管理・保全するのに必要な人間の数が臨界に達した場合には、人間は階層型の組織をつくることで対応してきた。あらゆる部族や村で潜在的か明示的かを問わず、階層的な権力構造が見られる。集団に含まれる人の数が多ければ多いほど、形成されるピラミッドも大きくなる。さらに中世の初めから産業革命までの間に、近代型の企業が登場し、階層型のアプロ ーチが会社や政府の構造を規定した。それ以来、組織のあり方はほとんど変わっていない。

今日でも、私たちはこの直線的なとらえ方で組織を管理している。つまりXという量の仕事をこなすのにYという量の資源が必要なら、 2X分の仕事をするには2Yの資源が必要になる、という具合だ。
工場のような生産設備を所有すること。従業員を雇用すること。時給ベースで働くこと。これらは、すべて直線的な成長を前提とした形態だったと思う。

この本にあるように、AirbnbやUberが客室や車を所有することなく、わずかな年数で指数関数的な成長を実現したような事例は、投入された労働力の総和が生産力になっていたこれまでの工業化社会とは対比的である。

「飛躍型企業」がマジョリティになっていくとすれば、上記にあるように「オンデマンド型の人材調達」があたりまえとなり、社員が会社に集まって仕事をするスタイルから、オープンソースコミュニティでプロジェクトが進むスタイルへと変わっていくのだろう。

時給という考え方はもちろん残るだろうけれど、長時間労働はもはや美徳ではなく、指数関数的な成長を実現できるかどうかが鍵になっていくのだろう。Yahoo! Japanのチーフストラテジーオフィサーである安宅和人さんがTEDxTOKYOの「シン・ニホン」で「これからの国富を生み出すのはハードワークではなく妄想力」と喝破されたのは、圧倒的に正しい。

一社への帰属から複線的なキャリアが浸透しようとしていることも、こうした流れの中では、もはや必然に思える。




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