B型だもの。

分散化していく世界の片隅で。

12時間前は平和だった。米国大統領選も予定調和的にヒラリーが当選して、これまで通りの世界が続いていくのだろうと思っていた。「これまで通り」の世界がイヤな人が、これほどたくさんいるとは思っていなかった。

田村耕太郎さんが数週間前、Facebookに投稿していたエピソードが印象的だった。

米国でタクシーに乗ったらドライバーが「おれはトランプに入れるよ。勝つわけないから」という。「Brexitの時もみんなそういっていたんだよ」というと、「えっ、Brexitって何?」といわれる話。

そして今日の投稿。シンガポールでの話。


今日は4回Uberまたはタクシーに乗ったが、全員の運転手が「トランプ大統領誕生は愉快だ」と言っていた。「世の中をUpside Down(ひっくり返すことが)できる」と不気味に笑っていた。


世の中の上下をひっくり返したい人が、世界中に増殖している。現状への不満。ヒエラルキーへの不満。移民への不満。どうやって国富を生み出すかではなく、現状をぶっ壊したいという欲望。生活者の不満が積み重なって、歴史が変えられてきた。それを今また目の当たりにしている。

トランプが名門大学のMBAホルダーであることから「バカではない」とか「政権をとったらまともになるはず」という意見をよく聞くのだけど、それって正常性バイアスというか、そう思って安心したいだけではないのかな。

本当におそろしいのは、実業家としてあれだけの成功を収めた優秀な人物が、大まじめにメキシコとの国境の壁を建設することを党の公約に掲げ、おそらくは恐るべき優秀さでそれを履行すること。それがアメリカ合衆国の意思だということ。

すでに日本国内でも軍需関連株(火薬とか)が爆上げしている。「危険なことにはならない」と評論家たちがいう間に、市場は素直に反応している。

それを織り込んだ上で、自分が何をするか、日本がどうするのかを考えないといけない。
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