B型だもの。

分散化していく世界の片隅で。

浜名湖で「たきや漁」をしてきた。

たきや漁は、湖に小舟を浮かべ、舳先に松明(現在はLED電球)を灯して水底を照らし、蟹や魚を銛で突いて獲る漁。浜名湖独特のもので、100年以上前に始まったという。

浜松駅でお酒を買い込み、東海道線で弁天島駅へ。駅から歩いて3分ほどの湖畔で待っていると、船頭さんが舟を操って迎えにきてくれる。

舟に乗り込み、救命ベストを着用して出発。一艘に四人乗り。 釣りのポイントに移動して、暗くなるのを待つ。さざ波の音を聞きながら、日が暮れて、満面の星空が広がるのを眺める。

水深は案外浅い。50cmくらいだろうか。明かりに照らされて水底がはっきりと見える。
「あっ、そこに蟹がいますよ」という船頭さんのアドバイスに従って、銛で突く。蟹や魚を獲って、舟の魚籠に入れていく。 銛で魚なんて獲れるのかと思っていたが、初めての自分でも獲れた。楽しい。

蟹や比較的見つけやすいが、魚はわかりにくい。「日頃は魚を横からしか見てないでしょ。泳いでいる魚を上から見るなんて、なかなかないでしょう」と船頭さんに言われる。確かに。

蟹(台湾ガザミ)がたくさん獲れた。それから、40cmほどある甲イカ、コチ、スズキ、クロダイ。穴子なんかも獲れるそうだが、この日の釣果には入らず。
2時間ほど漁をして、筏(いかだ)に移動する。 この筏というのが、聞いても想像できなかったのだが、その通り、湖に浮かぶ大きな筏なのだった。広さにして30平米くらい。

筏の上で宴会が始まる。四方は湖に囲まれている。 まな板を取り出し、船頭さんが手際よく魚を卸していく。 蟹は鍋でぐらぐらと茹でる。何杯かは味噌汁用に取り分けておく。 卸した魚は一口大にして、片っ端から天ぷらに揚げていく。
茹でたての蟹をバキバキ折ってしゃぶりつく。湯気の立つほっくりした身肉に蟹味噌が絡んで、何杯でも食べられる。持ち込んだビールを飲み、揚げたての天ぷらを食べる。白身魚はフワフワのサクサク、イカは身もゲソも旨い。船頭さんが用意してくれた海老の天ぷらも。
最後は蟹の味噌汁。蟹を茹でて、味噌を溶いただけの漁師料理が最高に旨い。おにぎりを買ってくることを勧められる。筏の上には、調理設備が限られているから、食事ものは持ち込む必要があるのだ。
料理が出来上がるまでの間、買ってきたオードブルで楽しむ人もいるという。冷えたシャンパンなんか持ち込んでも最高だろうなあ。

ちなみに、トイレは別の筏の上にあるので、なんと舟で移動する。 満腹になって、水面を渡る風に頬を撫でられながら、酒を飲む。ストレスやら何やら、すっかりどこかに行ってしまった感じ。

岸辺まで舟で船頭さんが送ってくれる。残った魚は持ち帰らせてくれる。 一艘チャーターして、食事も込みで3万円だった。

浜名湖 雄踏たきや漁


注意:
舟は四人乗ればいっぱいの小さなもので、屋根などもないため、水しぶきが結構飛んできます。濡れてもいい格好で行かれることと、バッグを持っていくときには大きなビニール袋があると便利です。舟の舳先に立って漁をしますが、揺れるので、ヒールなどで行かない方が良さそうです。 
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