B型だもの。

分散化していく世界の片隅で。

塩漬け豚の魅力に目覚めたのは、料理家の高山なおみさんのレシピだったと思う。2002年2月号(ずいぶん前だ)の「dancyu」に「ブロック肉は『塩豚』にして食べ尽くそう」という記事があった。

 日曜日 塩漬け豚の仕込み
 月曜日 塩豚のソテー バルサミコ酢ソース
 火曜日 塩豚とクレソン、きのこのパスタ
 水曜日 ゆで塩豚の葉っぱ巻き

塩をもみこんで、ジップロックに入れて冷蔵庫に放置しておくだけで、塩が浸透するにつれ、肉の熟成味と合わさって旨みが増していく。いわば燻製しない生ベーコンのようなものだから、使い勝手が良く、忙しいときに冷蔵庫にあると心強い。

日曜日に塩漬け豚を仕込んだとき、私の一週間の食生活は、たとえばこんな感じに。

月曜日 白菜と豚の花山椒鍋
平松洋子さんのレシピ。このために塩漬け豚を仕込むといっても過言ではない。鳥ガラスープを紹興酒と塩で味をつけ、鷹の爪、花椒(丸のまま)、にんにく一片を入れて、スライスした塩漬け豚と白菜を煮て食べるだけなのに泣けるほど美味。〆のラーメンもそんじょそこらの店より旨い。シンプルなのに。黒七味でもあれば、飛び上がるほど幸せ。

火曜日 豚肉のソテー
そのままでもバルサミコ酢をかけても。玄妙なる美味。

水曜日 豚バラ丼
スライスして焼いた塩漬け豚を丼にして、白髪ネギと卵の黄身を載せる。

木曜日 塩漬け豚のパスタ
ベーコンやパンチェッタを使うレシピはことごとく塩漬け豚で代用可能である。

金曜日 茹で豚
かなり塩が効いてくるので、塩抜きの意味も含めて茹でた豚肉を野菜と共に。

バラかロースかは好みだろうけれど、花山椒鍋が目当てなので、ついバラを使ってしまう。そしてまた花山椒鍋が食べたくなり、週末に塩漬け豚を仕込むという無限ループ。

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