B型だもの。

分散化していく世界の片隅で。

G1ベンチャーの「新たな業態のつくり方 ~"儲かる"と"喜ばれる"の両立に向けて~」パネルで、Soup Stock Tokyo 遠山正道社長が話されていたスマイルズ社内の四行詩が印象的だった。

  必然性を根っこにして
  意義を加えて
  やりたいということに出会い
  なかったという価値を創る

「マーケティングはしないんですね。○○をつくろうと思うけど好きですか、って市場に先に聞かない。僕は絵の個展から始めたから。絵を描くとき、市場がそれを気に入ってくれるかどうかなんて、アーティストは聞いたりしない。でも、だからといって独りよがりになるんじゃなくて、世の中の大きな流れを見て、事業をつくっていく」 

デザイン経営という言葉が、最近よく使われる。デザインを経営にどう活かすかとか。

でも実はデザインは、センスの良い商品を開発するための経営資源などではなく、経営こそデザインそのものなんだと思う。 

遠山社長は三菱商事時代、「スープのある1日」という企画書を書いて、スマイルズを社内起業された。たとえば女の子が会社帰りにスープを飲んで、ほっとして帰路につくような風景。今はないけれども、こんな世界になったらいいというヴィジョンを描き、具現化する力、それを持続可能な価値にしていくことをこそ、経営と呼ぶんだろう。それは、社会をデザインする力であり、美意識の具現化という意味で、アートとなんら変わらない。

あるべき世界への思い。なければ自分でつくるという、突き動かされるような行動。今はない世界観を育む(妄想する)ことが教養。やりたいことに出会うために自分を養う。本を読み、人に会い、少しでも移動距離を広げる。それがクリエイティビティを養い、経営の原動力となるんだと思う。


「新たな業態のつくり方 ~"儲かる"と"喜ばれる"の両立に向けて~」
    パネリスト
    遠山 正道 氏
    株式会社スマイルズ 代表取締役社長
    山田 邦雄 氏
    ロート製薬株式会社 代表取締役会長 兼 CEO
    横川 正紀 氏
    株式会社ディーンアンドデルーカジャパン 代表取締役
    株式会社ウェルカム  代表取締役
    モデレーター
    高島 宏平 氏
    
オイシックス株式会社 代表取締役社長
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